建築基準法の適用には例外がある。法第三条

すべてのピーマンが、緑色とは限らないのと同じで、建築基準法の適用にも例外があります。
建築基準法は、第三条で、法適用の除外を謳っています。

(適用の除外) 第三条

第1項は、至ってシンプル。
特別な建築物には、この法律は適用されません、ということ。
第1項曰く、

この法律並びにこれに基づく命令及び条例の規定は、次の各号のいずれかに該当する建築物については、適用しない。
一 文化財保護法(昭和二十五年法律第二百十四号)の規定によつて国宝、重要文化財、重要有形民俗文化財、特別史跡名勝天然記念物又は史跡名勝天然記念物として指定され、又は仮指定された建築物
・・・

例えば、国宝の松本城天守に、トイレを増築する場合、確認申請が必要ないのはもちろんのこと、建築基準法に従う必要すらありません。

そして、第2項は、確認申請で頻繁に使用される条文。
第2項曰く、

2 この法律又はこれに基づく命令若しくは条例の規定の施行又は適用の際現に存する建築物若しくはその敷地又は現に建築、修繕若しくは模様替の工事中の建築物若しくはその敷地がこれらの規定に適合せず、又はこれらの規定に適合しない部分を有する場合においては、当該建築物、建築物の敷地又は建築物若しくはその敷地の部分に対しては、当該規定は、適用しない。

難解です。
この条文を読みやすくするには、「又は・・・」「若しくは・・・」を読み飛ばした上で、一度通して読んでみること。
すると、

2 この法律 又はこれに基づく命令若しくは条例 の規定の施行 又は適用 の際現に存する建築物 若しくはその敷地又は現に建築、修繕若しくは模様替の工事中の建築物若しくはその敷地 これらの規定に適合せず、又は これらの規定に適合しない部分を有する場合においては、当該 建築物、建築物の敷地又は 建築物 若しくはその敷地 の部分に対しては、当該規定は、適用しない。

少し読みやすくなったでしょうか。
つまり、法律が施行になった日に、すでに存在する建築物については、たとえその建築物に新しい規定に適合しない部分があったとしても、規定に適合させる義務はない、ということを謳っています。いわゆる『既存不適格建築物』への適用を、除外する条文です。

続いて第3項曰く、

3 前項の規定は、次の各号のいずれかに該当する建築物、建築物の敷地又は建築物若しくはその敷地の部分に対しては、適用しない。

ん?となりますね。第2項が、適用除外の条文だったはずです。第3項では、「前項」つまり第2項を「適用しない」と言っています。
除外の除外ですから、第3項は「適用を除外する」ことになります。
適用除外されないのは、違反建築物。
そもそも違反している建築物には、適用しますよ、ということ。
違反建築物なのに適用除外されたら、それはムシがイイというものですね。

建築基準法には、難解な条文がいくつもあります。
我々専門家にとっても、難解なものは難解です。
同僚の中には、「一度読んで分からなければ、十回読む。十回で分からなければ50回読む」という人がいます。
分かるまで読む、分からなければ聞く、というのは、どのような学問でも同じですね。