鉄骨造の幅厚比の制限について

鉄骨造の幅厚比の制限についての質問です。ルート2で計算する場合でブレース構造の場合、柱・梁は圧縮力等軸力のみしか受けませんが、幅厚比の規定は適用されるのでしょうか。

構造関係基準に関するQ&A No.32

ブレース構造でもスパンが12mを超えたり、少しでも経済設計をしようとするとき、構造計算ルート2を採用するケースがあります。

「Aランク相当の幅厚比」という仕様規定は、告示第593号からくる、構造計算ルート1-2では告示第593号、構造計算ルート2では告示第号からくる規定で、急激な耐力低下を生じないことが条件となっています。

ブレース構造の場合、急激な耐力低下は、一般にはブレース軸部の破断や、ブレース接合部の破断によって生じますので、柱や梁の曲げヒンジによって構造体としての耐力が決定することは考えにくいケースがあります。

そのようなとき、柱や梁の幅厚比の制限に如何ほどの意味があるのか?というのは設計サイドとしては自然な疑問です。

このICBAのQ&Aは、国土交通省が関与しており、オーソライズされたものとして考えることができますので、 確認検査員もよく参照する資料です。

構造計算を行うときに純ブレース構造と仮定したとしても、すべての柱及びはり部材の両端が完全なピンとなっているとは考えにくく、地震力によってある程度の曲げモーメントが生ずる可能性が高いため、一般にはブレース構造の柱はりであっても幅厚比規定が適用されます。

 なお、本規定(昭55建告第1791号第2第四号及び第五号)にはただし書きが設けられており、『鋼材の断面に構造耐力上支障のある局部座屈を生じないことが確かめられた場合』には、適用を除外することができます。一例として、両端がピン又はピンに近いような条件のはり等で端部が塑性状態に達しないとみなせるものは、局部座屈を生じないことを計算で確かめることで、幅厚比の規定を適用しないことができます。
局部座屈が生じないことを計算によって確かめる方法としては、技術基準解説書p.323に示された方法(崩壊メカニズム時を想定した応力状態に対しても弾性状態に留まり、かつ、その応力に対して局部座屈が生じないことを直接確かめる方法)のほか、ブレースでほとんどの水平力を分担する構造では、ブレースの降伏軸力等から計算した保有水平耐力が、柱・梁の幅厚比も考慮したDs値に基づく必要保有水平耐力を上回ることを確認することによって幅厚比を緩和することも可能です。

構造関係基準に関するQ&A No.32

回答は上記の通りとなっています。原則は、幅厚比の規定は免れません。

ただし適用除外の方法も併記されています。通常、確認申請図書では、この適用除外の文言に忠実に検討を行えば、審査に通ると考えてよいでしょう。

つまり、 両端がピン又はピンに近いような条件のはり等で端部が塑性状態に達しないとみなせるものは、局部座屈を生じないことを計算で確かめることで、幅厚比の規定を適用しないことができます 。

具体的には、下記のようになっています。

  • 技術基準解説書p.323に示された方法(崩壊メカニズム時を想定した応力状態に対しても弾性状態に留まり、かつ、その応力に対して局部座屈が生じないことを直接確かめる方法)
  • ブレースでほとんどの水平力を分担する構造では、ブレースの降伏軸力等から計算した保有水平耐力が、柱・梁の幅厚比も考慮したDs値に基づく必要保有水平耐力を上回ることを確認すること

上記、いずれかの方法によることになります。