昭和55年11月27日建設省告示第1791号 建築物の地震に対する安全性を確かめるために必要な構造計算の基準を定める件

建築基準法施行令(昭和25年政令第338号)第82条の6第三号の規定に基づき、建築物の地震に対する安全性を確かめるために必要な構造計算の基準を次のように定める。

昭和55年11月27日 建設省告示第1791号改正 昭和62年11月13日 建設省告示第1916号改正 平成7年12月11日 建設省告示第1996号改正 平成13年8月21日 国土交通省告示第1370号改正 平成19年5月18日 国土交通省告示第595号改正 平成19年9月27日 国土交通省告示第1226号改正 平成23年4月27日 国土交通省告示第429号

建築物の地震に対する安全性を確かめるために必要な構造計算の基準を定める件

第1 木造の建築物等に関する基準 木造の建築物又は木造とその他の構造とを併用する建築物については、次の各号に定める構造計算を行うこと。一 水平力を負担する筋かいを設けた階(地階を除く。)を含む建築物にあつては、建築基準法施行令(以下「令」という。)第82条第一号の規定により計算した当該階の構造耐力上主要な部分に生ずる令第88条第1項の規定による地震力による応力の数値に次の表の数値以上の数値を乗じて得た数値を当該応力の数値として令第82条第二号及び第三号に規定する構造計算を行うこと。

の場合1+0.7β
の場合1.5
 この表において、βは、令第88条第1項に規定する地震力により建築物の各階に生ずる水平力に対する当該階の筋かいが負担する水平力の比を表すものとする。

二 水平力を負担する筋かいで木材を使用したものについては、当該筋かいの端部又は接合部に木材のめりこみの材料強度に相当する応力が作用する場合において、当該筋かいに割裂き、せん断破壊等が生じないことを確かめること。三 水平力を負担する筋かいでその軸部に専ら木材以外の材料を使用したものについては、当該筋かいの軸部が降伏する場合において、当該筋かいの端部及び接合部が破断しないことを確かめること。四 建築物の地上部分の塔状比(計算しようとする方向における架構の幅に対する高さの比をいう。)が4を超えないことを確かめること。五 前各号に掲げるもののほか、必要がある場合においては、構造耐力上主要な部分である柱若しくははり又はこれらの接合部が、割裂き、せん断破壊等によつて構造耐力上支障のある急激な耐力の低下を生ずるおそれのないことを確かめること。第2 鉄骨造の建築物等に関する基準 鉄骨造の建築物又は鉄骨造とその他の構造とを併用する建築物については、次の各号に定める構造計算を行うこと。一 水平力を負担する筋かいを設けた階(地階を除く。)を含む建築物にあつては、令第82条第一号の規定により計算した当該階の構造耐力上主要な部分に生ずる令第88条第1項の規定による地震力による応力の数値に次の表の数値以上の数値を乗じて得た数値を当該応力の数値として令第82条第二号及び第三号に規定する構造計算を行うこと。

の場合1+0.7β
の場合1.5
 この表において、βは、令第88条第1項に規定する地震力により建築物の各階に生ずる水平力に対する当該階の筋かいが負担する水平力の比を表するものとする。

二 水平力を負担する筋かいの軸部が降伏する場合において、当該筋かいの端部及び接合部が破断しないことを確かめること。三 冷間成形により加工した角形鋼管(厚さ6ミリメートル以上のものに限る。以下この号において単に「角形鋼管」という。)を構造耐力上主要な部分である柱に用いる場合にあつては、次に定める構造計算を行うこと。ただし、特別な調査又は研究の結果に基づき、角形鋼管に構造耐力上支障のある急激な耐力の低下を生ずるおそれのないことが確かめられた場合にあつては、この限りでない。イ 構造耐力上主要な部分である柱及びはりの接合部(最上階の柱の柱頭部及び1階の柱の脚部である接合部を除く。)について、次の式に適合することを確かめること。ΣMpc≧1.5ΣMpbこの式において、Mpc及びMpbは、それぞれ次の数値を表すものとする。Mpc 当該接合部における柱の材端(はりその他の横架材に接着する部分をいう。)に生じうるものとして計算した最大の曲げモーメント(単位 ニュートンメートル)Mpb 当該接合部におけるはりの材端(柱に接着する部分をいう。)に生じうるものとして計算した最大の曲げモーメント(単位 ニュートンメートル)ロ 構造耐力上主要な部分である角形鋼管を用いた柱が1階の柱であり、かつ、日本工業規格G3466(一般構造用角形鋼管)-2006に適合する場合にあつては、イに掲げるほか、地震時に当該柱の脚部に生ずる力に1.4(柱及びはりの接合部の構造方法を内ダイアフラム形式(ダイアフラムを落とし込む形式としたものを除く。)とした場合は1.3)以上の数値を乗じて令第82条第一号から第三号までに規定する構造計算をした場合に当該建築物が安全であることを確かめること。四 柱及びはりに炭素鋼(平成12年建設省告示第2464号第1に規定する基準強度が1平方ミリメートルにつき205ニュートン以上375ニュートン以下であるものに限る。)を用いる場合にあつては、次の表の(い)欄に掲げる柱及びはりの区分に応じ、幅厚比(円形鋼管にあつては、径厚比とする。)が同表の(ろ)欄に掲げる数値以下の数値となることを確かめること。ただし、特別な調査又は研究の結果に基づき、鋼材の断面に構造耐力上支障のある局部座屈を生じないことが確かめられた場合にあつては、この限りでない。

(い)(ろ)
柱及びはりの区分数値
部材断面形状部位
H形鋼フランジ
ウェブ
角形鋼管
円形鋼管
はりH形鋼フランジ
ウェブ
 この表において、Fは平成12年建設省告示第2464号第1に規定する基準強度(単位 1平方ミリメートルにつきニュートン)を表すものとする。

五 柱及びはりにステンレス鋼を用いる場合にあつては、次の表の(い)欄に掲げる柱及びはりの区分に応じ、H形鋼にあつては同表の(ろ)欄に掲げる式によつて計算した数値が1以下になることを、角形鋼管の幅厚比及び円形鋼管の径厚比にあつてはそれぞれ同欄に掲げる数値以下の数値となることを、それぞれ確かめること。ただし、特別な調査又は研究の結果に基づき、鋼材の断面に構造耐力上支障のある局部座屈を生じないことが確かめられた場合にあつては、この限りでない。

(い)(ろ)
柱及びはりの区分数値
部材断面形状鋼種
H形鋼235ニュートン級鋼
325ニュートン級鋼
角形鋼管235ニュートン級鋼25
325ニュートン級鋼25
円形鋼管235ニュートン級鋼72
325ニュートン級鋼44
はりH形鋼235ニュートン級鋼及び(d/tw)/65
325ニュートン級鋼
角形鋼管235ニュートン級鋼32
325ニュートン級鋼32
円形鋼管235ニュートン級鋼72
325ニュートン級鋼44
 この表において、b、d、tf及びtwは、それぞれ次の数値を表すものとする。
b フランジの半幅(フランジの半分の幅をいう。)(単位 ミリメートル)
d ウェブのせい(単位 ミリメートル)
tf フランジの厚さ(単位 ミリメートル)
tw ウェブの厚さ(単位 ミリメートル)

六 第1第四号の規定によること。七 前各号に掲げるもののほか、構造耐力上主要な部分である柱若しくははり又はこれらの接合部が局部座屈、破断等によつて、又は構造耐力上主要な部分である柱の脚部の基礎との接合部がアンカーボルトの破断、基礎の破壊等によつて、それぞれ構造耐力上支障のある急激な耐力の低下を生ずるおそれのないことを確かめること。第3 鉄筋コンクリート造又は鉄骨鉄筋コンクリート造の建築物等に関する基準 鉄筋コンクリート造の建築物若しくは鉄筋コンクリート造とその他の構造とを併用する建築物又は鉄骨鉄筋コンクリート造の建築物若しくは鉄骨鉄筋コンクリート造とその他の構造とを併用する建築物については、次の各号に定める構造計算のうちいずれかを行うこと。ただし、第一号ハ、第二号ロ(第一号ロの規定の適用に係る部分を除く。)及び第三号ハの規定以外の規定にあつては、実験によつて耐力壁並びに構造耐力上主要な部分である柱及びはりが地震に対して十分な強度を有し、又は十分な靱(じん)性をもつことが確かめられる場合においては、この限りでない。一 次のイからハまでに掲げる基準に適合することを確かめること。イ 各階の鉄筋コンクリート造又は鉄骨鉄筋コンクリート造の耐力壁(平成19年国土交通省告示第594号第1第三号イ(1)に規定する開口周比が0.4以下であるものに限る。以下同じ。)、構造耐力上主要な部分である柱及び耐力壁以外の壁(上端及び下端が構造耐力上主要な部分に緊結されたものに限る。)の水平断面積が次の式に適合すること。ただし、鉄骨鉄筋コンクリート造の柱にあつては、同式中「0.7」とあるのは「1.0」とする。Σ2.5αAw+Σ0.7αAc≧0.75ZWAiこの式において、α、Aw、Ac、Z、W及びAiは、それぞれ次の数値を表すものとする。α コンクリートの設計基準強度による割り増し係数として、設計基準強度が1平方ミリメートルにつき18ニュートン未満の場合にあつては1.0、1平方ミリメートルにつき18ニュートン以上の場合にあつては使用するコンクリートの設計基準強度(単位 1平方ミリメートルにつきニュートン)を18で除した数値の平方根の数値(当該数値が2の平方根の数値を超えるときは、2の平方根の数値)Aw 当該階の耐力壁のうち計算しようとする方向に設けたものの水平断面積(単位 平方ミリメートル)Ac 当該階の構造耐力上主要な部分である柱の水平断面積及び耐力壁以外の壁(上端及び下端が構造耐力上主要な部分に緊結されたものに限る。)のうち計算しようとする方向に設けたものの水平断面積(単位 平方ミリメートル)Z 令第88条第1項に規定するZの数値W 令第88条第1項の規定により地震力を計算する場合における当該階が支える部分の固定荷重と積載荷重との和(令第86条第2項ただし書の規定により特定行政庁が指定する多雪区域においては、更に積雪荷重を加えるものとする。)(単位 ニュートン)Ai 令第88条第1項に規定する当該階に係るAiの数値ロ 構造耐力上主要な部分が、地震力によつて当該部分に生ずるせん断力として次の式によつて計算した設計用せん断力に対して、せん断破壊等によつて構造耐力上支障のある急激な耐力の低下を生ずるおそれのないこと。QD=min{QL+nQE,QO+QY}この式において、QD、QL、n、QE、QO及びQYは、それぞれ次の数値を表すものとする。QD 設計用せん断力(単位 ニュートン)QL 固定荷重と積載荷重との和(令第86条第2項ただし書の規定により特定行政庁が指定する多雪区域においては、更に積雪荷重を加えるものとする。以下この号及び第五号において「常時荷重」という。)によつて生ずるせん断力。ただし、柱の場合には0とすることができる。(単位 ニュートン)n 2.0(構造耐力上主要な部分でない腰壁又は垂れ壁が取り付く柱にあつては、2.0と階高を開口部の高さで除した数値のうちいずれか大きい数値)以上の数値QE 令第88条第1項の規定により地震力を計算する場合における当該地震力によつて生ずるせん断力(単位 ニュートン)QO 単純支持とした時の常時荷重によつて生ずるせん断力。ただし、柱の場合には0とすることができる。(単位 ニュートン)QY 柱又ははりの両端が曲げ耐力に達した時のせん断力。ただし、柱において柱頭に接続するはりの曲げ耐力の和の2分の1(最上階の柱頭にあつては、曲げ耐力の和)の数値が当該柱頭部の曲げ耐力を超えない場合にあつては、当該数値を柱頭部の曲げ耐力の数値とすることができる。(単位 ニュートン)ハ 第1第四号の規定によること。二 次のイ及びロに掲げる基準に適合することを確かめること。イ 各階の鉄筋コンクリート造又は鉄骨鉄筋コンクリート造の耐力壁及び構造耐力上主要な部分である柱の水平断面積が次の式に適合すること。ただし、鉄骨鉄筋コンクリート造の柱及びこれに緊結された耐力壁にあつては、「1.8」とあるのは「2.0」とする。Σ1.8αAw+Σ1.8αAc≧ZWAiこの式において、α、Aw、Ac、Z、W及びAiは、それぞれ次の数値を表すものとする。α、Aw、Z、W及びAi 前号イに定めるα、Aw、Z、W及びAiの数値Ac 当該階の構造耐力上主要な部分である柱の水平断面積(単位 平方ミリメートル)ロ 前号ロ及びハの規定によること。三 次のイからハまでに掲げる基準に適合することを確かめること。イ 構造耐力上主要な部分である鉄筋コンクリート造又は鉄骨鉄筋コンクリート造のはり(最上階のはり又は1階の床版に接着するはりを除く。)の材端(柱又は壁に接着する部分をいう。)に生ずる曲げモーメントが、当該部分に生じ得るものとして計算した最大の曲げモーメントと等しくなる場合において、構造耐力上主要な部分である鉄筋コンクリート造又は鉄骨鉄筋コンクリート造の柱及び壁の材端(はりその他の横架材又は垂れ壁若しくは腰壁に接着する部分をいい、最上階のはりその他の横架材若しくは垂れ壁に接着する部分又は1階の床版に接着するはりその他の横架材若しくは腰壁に接着する部分を除く。)に生ずる曲げモーメントが当該部分に生じ得るものとして計算した最大の曲げモーメントを超えず、かつ、当該はり、柱及び壁にせん断破壊が生じないこと。ロ 次の(1)及び(2)に掲げる基準に適合すること。(1) 構造耐力上主要な部分である柱及びはりが、地震力によつて当該柱及びはりに生ずるせん断力として次の式によつて計算した設計用せん断力に対して、せん断破壊等によつて構造耐力上支障のある急激な耐力の低下を生ずるおそれのないこと。QD=QO+nQUこの式において、QD、QO、n及びQUは、それぞれ次の数値を表すものとする。QD 設計用せん断力(単位 ニュートン)QO 単純支持とした時の常時荷重によつて生ずるせん断力。ただし、柱の場合には0とすることができる。(単位 ニュートン)n 1.1(柱頭部が曲げ降伏する最上階の柱及び柱脚部が曲げ降伏する1階の柱にあつては、1.0)以上の数値QU イの状態において柱及びはりに生じうるものとして計算したせん断力(はりにあつては両端が曲げ耐力に達した時のせん断力とし、柱にあつては柱頭部及び柱脚部に接続するはりの端部の曲げ耐力の和に相当する曲げモーメントがそれぞれ当該部分に生ずるものとして計算したせん断力とする。ただし、最上階の柱の場合にあつては柱頭部が、1階の柱の場合にあつては柱脚部が、それぞれ曲げ耐力に達するものとして計算したせん断力の数値とすることができる。)(単位 ニュートン)(2) 構造耐力上主要な部分である耐力壁が、地震力によつて当該耐力壁に生ずるせん断力及び曲げモーメントとして次の式によつて計算した設計用せん断力及び設計用曲げモーメント(曲げ破壊を生ずるものとした部分にあつては、設計用せん断力に限る。)に対して、せん断破壊等によつて構造耐力上支障のある急激な耐力の低下を生ずるおそれのないこと。QD=n1QW及びMD=n2MWこの式において、QD、n1、QW、MD、n2及びMWは、それぞれ次の数値を表すものとする。QD 設計用せん断力(単位 ニュートン)n1 1.5以上の数値QW 当該耐力壁を含む建築物の架構が平成19年国土交通省告示第594号第4第一号イに規定する全体崩壊形に達する場合に耐力壁に作用するせん断力(単位 ニュートン)MD 設計用曲げモーメント(単位 ニュートンミリメートル)n2 1.5以上の数値MW 当該耐力壁を含む建築物の架構が平成19年国土交通省告示第594号第4第一号イに規定する全体崩壊形に達する場合に耐力壁に作用する曲げモーメント(単位 ニュートンミリメートル)ハ 第1第四号の規定によること。附 則(昭和55年11月27日 建設省告示第1791号)この告示は、昭和56年6月1日から施行する。附 則(昭和62年11月13日 建設省告示 第1916号)この告示は、昭和62年11月16日から施行する。附 則(平成7年12月11日 建設省告示第1996号)この告示は、平成7年12月25日から施行する。附 則(平成19年5月18日 国土交通省告示第595号)この告示は、平成19年6月20日から施行する。附 則(平成23年4月27日 国土交通省告示第429号)この告示は、平成23年5月1日から施行する。
(平成23年5月1日 – 現在有効)